もはや国民病ともいえる不眠症や睡眠障害ってどんなもの?

日本は世界でも睡眠時間が短い国だった

日本は世界でも睡眠時間が短い国だった

2016年に経済協力開発機構(OECD)が加盟国の15歳から64歳までの働く世代に対して睡眠に関する調査を実施しました。すると、その平均睡眠時間は8時間25分という結果に。では、私たち日本人はどうでしょうか?

実は、日本人の平均睡眠時間はわずか7時間22分。これは全加盟国の中で平均睡眠時間が最も短いという結果でした。ちなみに、アメリカ、フランス、イギリスなどの先進諸国の睡眠時間はOECDの平均を超えています。先進国だから、24時間社会だから、などの言い訳は通用しないようです。

不眠症は万病のもと

不眠症は万病のもと

睡眠不足が重なると、心身のセルフメンテナンスが不十分になり、様々な不調が現れます。ホルモンバランスや自律神経が乱れたり、血圧や血糖値、コレステロール値が上昇したり、高血圧や糖尿病、高脂血症などにつながることも。

人間は17時間覚醒していると、ビール1~2本、日本酒1~2合を飲んだ、ほろ酔い程度の状態になると言われます。さらに、24時間起き続けていると、ビール大瓶1本飲んだのと同じ状態になるのだとか。

長時間起き続けているのと同様に、慢性的に睡眠不足が続くと全身に倦怠感が現れ、集中力は著しく低下してしまいます。毎日しっかりと眠ることが大切と言えそうですね。

睡眠障害にはさまざまな種類がある

睡眠障害にはさまざまな種類がある

一般的に睡眠障害というと夜に眠れなくなる不眠症をイメージしますが、実は睡眠に何らかの問題がある状態全般のことを指します。たとえば、睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群、過眠症、睡眠時随伴症など、不眠症以外にも様々な病気があり、多くの人々が睡眠の問題を抱えていることが分かってきています。

たとえば、睡眠障害は昼間眠くてしかたないという状態や、睡眠中の病的な運動や行動、あるいは睡眠のリズムが乱れて戻せない状態などがあります。また、睡眠の問題は1つの原因や病気だけでなく、いくつかの要因が重なって起こってくることも多くみられます。

日本では、成人の5人に1人程度の人たちが不眠に悩んでいると考えられています。人口の高齢化、ライフスタイルの多様化、24時間社会における生活リズムの乱れ、ストレスなど、さまざまな要因が重なって、快適な睡眠が妨げられているのです。